以前、業務改革・業務改善を進めるうえでの基本的な考え方について書きました。
今回からは、その考え方を具体例に落とし込んで整理していきます。
そして、できるだけ実践しやすく、どの業界でも陥るボトルネックを具体例として記述したいと思います。
みんな現場の人間は摩擦を恐れる
ほぼどの企業も、自分のことでいっぱいになる
この問題は、実はどの業界(金融・製造・飲食・情報など)でも抵抗らしきものはあります。
ほぼ、100%と言っていいくらいです。
ただし、濃淡はあります。
例えばこうです。
これは、自分のところではそうでもないけど、あの部門のためになんか仕事が遅くなり、見積もった納期の時間的余裕が少ない。
でも、確実に遅れるわけではないから言いにくい。
これは、問題意識はあるけど、決定打がないのでぶつけられないという状態です。
最大の問題点
もうひとつはこれ。
「それやる必要ある?今の状態で回っているから良いじゃん。それに忙しいし」
実は、たいていこの部門が足を引っ張っている可能性が高いです。
なぜか。そもそも問題意識がないからです。
・今回っている状況はフル稼働なのか?余裕を持って稼働しているのか?
・忙しいのはなぜ?単に効率よく回せてないから忙しいのでは?
そして、今後の2回目以降に続く問題でもあるのですが、一番現場に欠けているのは、次の視点です。
自分たちは売上を作っている存在だが、実はコストもかかる存在だ
ということです。
もっと具体的に言うとこうです。
給料って?電気代は?トイレの水は?など、これを経費と呼びますが、これが基本的に意識出来ないのです。
職場環境や給料っていうのは当たり前すぎて。
簿記とか知っている人ならわかるのですが、わからない人にはわからない。
売上ー経費(コスト)=収益
この収益から、給料が支払われ、職場の環境が整っている。
当たり前すぎて意外とこの認識がない人がほとんどだと思います。共通認識の作り方
まずはコスト(経費)を知る
では、この事実をどう突き抜けていくか。そして、共通認識にして行くのかを考えてみましょう。
一番わかりやすいのは製造業です。
製造業というのは業種で言うと、コストの塊なのです。
給料もそうですし、部品を作るための機械、その電気代、そして倉庫があれば倉庫の維持費。そして固定資産税や減価償却費など。
よって、よくあるのが黒字倒産です。
倒産にはいくつかあるのですが、身近な例を出します。
銀行取引停止処分を受ける
これは製造業など手形取引が残る業界の話なのですが、これは6ヶ月以内に2回手形の不渡りを出すと、当座取引の停止や新規の借入が不可などがおきます。
なので、順調に納品して売上が上がっていると現場は思っても、瞬間的にコストが上がれば、赤字です。
そうすると、たいてい手形決済ができなくなります。これが2回6ヶ月でほぼ企業の機能は失われます。
銀行から融資停止勧告を受ける
じゃあうちは手形なんか使わないからいいやと思っていても、飲食や各種販売業のようなサービス業でも、銀行融資を受けている企業では同じです。手形を使っていなくても、融資が止まって、資金繰りができなくなることもあります。
銀行融資を受けている場合、基本的には財務状況(簡単に言うときちんとしたお金の使い方をしているか)をチェックされます。そうしないと、貸した資金が返ってこない可能性もあるからです。
ここまで、意識してください。
そして、次のことが重要になります。
自分がこの問題を確信して動こうとしたのかを確信する
普通はこんなことは自分で動くことはしない
正直に言うと、自分が問題意識を持っても、事実がなければ動けないです。
よって、ここがキーポイントになります。
「なぜ、この問題を自分が気にし始めたのかを確信する」
きっと何かかがあるから、この問題が気になりだしたのです。
なんとなく会社の現場の雰囲気が悪いとか中堅社員になって、うちの会社よそと比べて遅れていないか。
キャリア的にもこの会社で終わっていいのかとか。
それが大きな力になります。
まず手始めに会社の数字を知る
じゃあ、この事実をどう作るか。特に上からの指示がない場合。
まず、経理部とか総務部とか計理を担当している部署に相談します。
そして、こう切り出します。
「業務改善考えているんだけど、実際のところ、それぞれの部署が使っている経費ってわかる?
できれば、人件費も入れて。それで、固定費もそれぞれの部の人数でひとりあたりの単価でいい」
なんで?と聞かれたら、今自分が思っているボトルネックを正直に話します。それを動かすために数字が必要。それに協力してほしい。
そして、「わかると思うけど、なんか無駄な残業が多い気がする。これって、人件費とか機械の電気代とかも絡んでくる気がしてるんだよね。それで、いつも残業している部署に聞いても、仕事してるから問題ないで聞く耳も持たず。」
ここで切り札。計理が一番恐れる「不渡りの予兆」を切る。
「自分でも勉強したんだけど、この問題放っておいたら、知らない間に経費が膨らんで、不渡りとか出さない?大丈夫?」
「うちの部署はなんとなく良くないと思っているけど、あの部署はそういうの全く意に介せずだから、心配で。」
そうすると、全てが上手くいくとは限らないですが、何かしらの成果(数字)はもらえるはずです。
そして、その数字を共有する
そして、みんなの会議をするのではなく、個別に相談です。
実際の数字を見せて、あなたの部はこれだけ経費を使っているなど。
そうすると、その問題に関する問題意識の濃淡が出ます。
「いや、うちの部も残業が多いからな・・・」
「そう、あの部署の動きが遅いから、こっちも迷惑してる」
実は、先ほどの私が書いたことこと
「きっと何かかがあるから、この問題が気になりだしたのです。」
これは、実は共通認識だったりすることが多いのです。
これのわかりやすい例が「離職者の多さ」なのです。
「離職率」ではなく「離職者」です。
つまり、誰が辞めたとか、そういうことです。
率にしてしまうと、ただの数字になる。
しかし、それが「誰か」になると急にスポットが当たる。
特に、職場のキーマンが突然前触れなく退職したなど。
自分の部なりではたまに出る。でも、実感がない。
規模にもよりますが、でも、毎月1人全社で出始めているなど。
そういうこと(人事的な話)は、噂で流れて、不穏な感じになるのです。
それで、知らんと言っていた部にも持って行って、一度みんなで話し合わないか?
その会議一回ですりあわせが必要だとネゴするのです。
その方が、風通しが良くなるからと。
というのが、初手になると思います。
上層部に、現場の危機感を認識して、トップダウンに持ち込む。
業務改革は、はっきり言って個人でどうにかできる話ではない
はっきり言うと、個人でどうこうできるレベルではないのが、本当のところです。
正直言って、この段階までひとりまたは数人で来れたらすごいです。
もちろん、企業規模にもよります。
でも、業務改善が組織として必要なレベルは小企業(一般で言うと10~20人)以上で、それでもしんどいと思いますし、中企業(100~300人)ではほぼ難しい。
なので、業務改善に取りくむためには、実は企業規模とも関連するのです。
要するに、企業として取り組むかの責任問題が絡んでくるからです。
10人以下とかであれば、そもそも業務改善っているか?になります。
業務改善が必要になるのは、問題が顕在化しないとかなり難しいです。
上層部に現場の苦労(誰かが無理をしている)を理解させる
そうなると、以上のことがキーになります。
これは、また違う視点になってきますし、動き方も変わるので、また別記事にしたいと思います。
今回は以上です。
なかなか難しい問題ではあります。
とにかく皆さんのヒントになるような業務改革の記事を書きたいと持っています。
この業務改善の記事。ぜひお役に立てれば幸いです。
