「ペルソナ」
AIが使われるようになって、AI界隈でもよく出る言葉になりました。
でも、この言葉って、昔からある「用語」だって知っていましたか?
改めて、「ペルソナ」とはなんでしょう。
ペルソナの語源
「ペルソナ」を口にすると、なぜか古代ヨーロッパな雰囲気がしませんか?
古代ギリシャとか古代ローマとかそのあたり。
この感覚は正解です。本来、ペルソナとは、
古代ギリシャ・ローマの演劇で役者が着用した「仮面」を意味する
ラテン語から来ている言葉
なのです。
端的に言えば「仮面」。元々はそんなに難しい言葉ではなかったのです。
面白いのは、英語の「人(person)」もこのラテン語が由来です。
よって、読みも似ているわけです。
では、なぜ現代において、このように単純な「仮面」という言葉が、いろいろな場面で使われているのでしょう。
実は、もともと「ペルソナ」が広がったのは、心理学であったり、人文学の領域でした。
心理学
これは、まあ一度は聞いたことがあるであろう、スイスの心理学者ユングが提唱した概念で、人が社会生活に適応するために使い分ける「表向きの顔(外的側面・仮面)」を指します。
まあ、誰にでもある内面の思いと、外の顔。この外の顔が「ペルソナ」と思っておけばOK。- 人文学
まず文学においては、一般的に、作者によって考えられた登場人物や、その声を通して物語の全部または一部が語られる人物を指すことが多いです。
他にも応用があります。「音楽でもペルソナという考え方はあるのでは」とか。要は作曲家になりきって演奏する。歌を歌う。これはペルソナではないかなんて議論もあったりします。
ビジネスシーンに置き換えてみましょう。
ビジネスで一番多い「ペルソナ」を使う局面
ビジネスシーンにおいて、一番使われるのは「マーケティング(ターゲティング)」の世界です。
つまり、こうなります。
「届ける相手を具体化するための読者・顧客像」
ということになります。これは、マーケティングの基本中の基本です。
つまり、「こちらから見て外向き」の概念なんです。
例えば、ある企業が市場調査を新商品に向けて行ったとします。
そうしたら、需要はなんとなく「若い女性の社会人」とわかった。
でも、それだと曖昧なので、
「新卒から5年目くらいの大都市に勤務している社会人女性」
とペルソナを決めます。
ここから、じゃあそのペルソナに合った人たちをサンプリングして、体験会を開く。そして、意見をもらうなどを行う。
これが、実務でペルソナを使う一例になります。
よって、このような記事においてはこんな感じ
誰に届けるのか
その人はなにに困っているのか
どんな文脈で読むのか
どんな言葉なら刺さるのか
どこまで説明が必要なのか
つまり、こちらから見て、
「受け手側の解像度(最も典型的な架空の顧客像)」
を上げるための概念
なのです。
AIでいう『ペルソナ』ってなに?という話になりませんか。
AIで言う「ペルソナ」を考える
誰が最初に使い始めたのかは、私では追えませんでした。
でも、AIでは「ペルソナ」っていつ使いますか?
ここでわかります。
「AIにどういう役割を演じさせるか」
要は「一番最初のチャットにペルソナ設定を置け」
というのは、
「AIにこのチャットで、私の指示する「仮面」をかぶって動きなさい」
にほかならないのです。
あなたは優秀なマーケターです
あなたはプロ編集者です
あなたは戦略コンサルタントです
あなたは厳しい校正者です
よって、こうも言えます。
マーケのペルソナ=「受け手の具体化」
AIのペルソナ=AI側の「役割設定」
つまり、向いている方向が逆なのです。
「外か」・「中か」
まとめると、
マーケティングでは、「誰に届けるか」
AIプロンプトでは「誰として答えさせるか」
つまり、「仮面」という意味では同じですが、本来とは全く違う物だとわかります。
今度はもうひとつ視点が変わります。
AI関連記事などでよく出てくる「読者ペルソナ」とは?
読者ペルソナとは一体何を指しているのか
ここは、実は私が見ている中で、最もこんがらがっている部分だと思います。
ほとんどの方は、AI関連のサクッとした記事で、「AIに対して、読者ペルソナを使うといいよ」くらいのノリの記事を見て、やってみようくらいの感じだと思っています。
でも、よくわからないまま、マーケでいうペルソナの概念(読者像)を考えてしまう。
さらに、AIにその想定読者像を入れてしまう。
そうすると、なにが起きるか。
AIはチャットペルソナにおいて、仮面をかぶってそれなりのポジションを確定します。
でも、私は「こういう顧客ペルソナ(すでに自分の中で顧客像が確定している)で考えたいんだけど、どのような記事を書いたらいい?」とプロンプトに投げてしまう。
でも、AIはチャットペルソナによって役割が与えられているので、それに応じて回答を出力します。
そうすると、回答が変な感じになってしまう(よじれた感じ)になることが往々として発生してしまいます。
だから、正確には、AIに投げる言葉としては、「読者ペルソナ」という横文字を使わずに、私の想定している(届けたい)「読者像」のイメージはこうです、それをすっきりさせたいとする利用方法がいいと思います。
例で言えば、AIチャット初期プロンプトで定義したペルソナで、
「あなたは素晴らしい能力を持ったマーケティングの専門家です」
とします。
そのうえで、
「これからあなたには、私が思いついた『こういう人に読んでもらいたい』という読者像を投げていきます」
と伝えます。
そして、思いつかなくなったら、
「じゃあ、ここで、想定される読者の事例を作成してください」
と指示するので、3人挙げてください。
これで、「ペルソナ(想定すべき読者)」が生成されます。
そして、そこから記事を書くと、頭でイメージができて、その人に届くような記事を書けるようになると思います。
つまり、AIを使ってペルソナを想定すべきであって、すでに自分の中に想定読者層があるのに、それを変にAIへプロンプトとして中途半端に投げてしまうからねじれてしまうのです。
いかがでしょうか?
「ペルソナ」ぜひ整理して理解いただけると、意外とごちゃごちゃしている言葉ではなく、AIチャットペルソナなどにも応用が利くと思います。
ぜひ、この概念を知っていただいて、Aiのプロンプトにどのような効率的なものを定義出来るのかを考えるのもいいと思っています。
また、次の記事でお目にかかりましょう。
