Web記事で最近見かける、「検索サイトは古い。AIに聞けば答えが一発で返ってくるから」という考え方。
これって何か見落としがある気がします。

今時の検索の論調

AIのみで検索は完了する?

Webサイトの特にAIを普段使い程度や、ちょっと簡易的に使っている方に多い論調が、

「疑問点はAIに投げれば、一発で答えが返ってくるから、検索サイトはもう使っていない。古い」

これなんです。

でも、これって本当なんでしょうか?
確かにAIは「○○について教えて」とプロンプトに投げれば、回答は出します。
AIによっては、引用付きで回答します。

でも、AIの仕組みをちょっとかじっていると違和感が出るはずなんです。
ここから、その回答パターンを2つ紹介します。

パターン1:AIの元のデータにある場合

AIのみで完結させようとする

簡易的に言うと、AIはいわゆる自分のビッグデータから回答を探しに行き、それを組み合わせて質問への回答を生成します。

大事なのは、「生成されたものである」ということ。
AIの回答は一次情報ではなく、生成されたものです。

それを端的に示すのが、画面下によくある免責文です。

ChatGPTなら
「ChatGPT の回答は必ずしも正しいとは限りません。重要な情報は確認するようにしてください。」

というものです。

これは、生成しているからなんです。

顕著に出るのは病気関連。
AIにもよりますが、「病気のことは、必ず専門医に確認してくれ」と出るはずです。
責任問題になりかねないから。

パターン2:そもそもビッグデータにない場合

結局、回答出来ないので、別の手段をとる

この場合、実際には回答しようにも回答できません。そこで、AIはそれぞれこういうものを使っています。

「クローラー」
(検索・回答生成に必要な最新情報をWeb上から自動で収集するプログラム)

これを使って、回答を出します。

しかもAIによって、ChatGPTならBing検索、GeminiならGoogle検索、というように異なります。
結局のところ、AIは「検索エンジンのクローラーを後ろ盾にしている」だけなのです。
このケースでは、引用がたいていつきます。

でも、提示される答えはひとつです。

検索サイトの優位点

検索サイトを使う場面

AIにちょっとした確認事項を聞くのはそれはそれで十分。
でも、自分が全く知らない言葉などを調べるなら、

AI × 検索サイトがいいと思っています。

なぜか。

検索サイトはGoogle検索などでは、AIの要約がつくケースが多いですが、その下にきちんとその検索結果が出るからです。

特に、病気関連などは各医師の方々がHPなどで解説されている記事が並びます。
古いものもあれば、新しいものもあります。
なんなら、薬についても触れられていたりします。

要は限りなく一次情報に近く、比較検討ができるからです。

今起きているちょっとした視点の変化

ここから少し、誰がどう使っているか、という話に広げます。

先日、この疑問について奥さんと話していました。そうしたら、奥さんがこう言ったのです。

「そういえば、この前の朝の番組でその件取り上げられてたよ。今の若い子は、AIは人間関係とかそういうのは聞かないって。AIは気持ちのいいことしか言わないから」

正直、「えっ?」って思いました。
若い人ほどAIに頼ると考えていました。

そこで調べました。
奥さんが見ている番組も特定特定できるし、その番組もわかっているので。

調べた結果、某朝の番組のコーナーの
「ナゼ急増?人が答える質問箱サービス AI時代に刺さる 生身の問答!?」
でした。

「欲しい答えがすぐ手に入る時代に、Yahoo!知恵袋などの質問箱サービスが急増中」という文脈で、特に mond という匿名質問サービスが取り上げられています。さらに、AIとの違いとして、「一般論を並べるAIとは違い、その人が歩んできた実体験が返ってくることが選ばれる理由」
(TVでた蔵さんより)

https://datazoo.jp/n/%E3%83%8A%E3%82%BC%E6%80%A5%E5%A2%97%EF%BC%9F%E4%BA%BA%E3%81%8C%E7%AD%94%E3%81%88%E3%82%8B%E8%B3%AA%E5%95%8F%E7%AE%B1%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9%2BAI%E6%99%82%E4%BB%A3%E3%81%AB%E5%88%BA%E3%81%95%E3%82%8B%2B%E7%94%9F%E8%BA%AB%E3%81%AE%E5%95%8F%E7%AD%94%EF%BC%81%EF%BC%9F/25064545

今起きていることの推測

この結果と推測から考えたこと

1. 若い層はAIを長く使っているから、違和感にも気づきやすい

高校生・大学生くらいの層は、AIを日常的にかなり使っていると思います。

だからこそ、

「これ、なんか気持ちいい答えばかり返してくるな」
「人間関係の相談だと、一般論で丸められるな」
「本当に知りたいところには届いていないな」

という違和感に気づく子も出てくるんじゃないかなと考えます。

つまり、AI利用時間が長い分だけ、AIの便利さだけでなく、AIの限界も体感している層がいるのではと感じます。

2. 若い層の中でも、リテラシー差が広がっている

同じようにAIを使っていても、

AIの回答を便利な下書き・参考情報として扱う子
AIの回答をそのまま正解として丸呑みする子

に分かれているようです。

だから、問題は「若い子がAIを使うこと」ではないです。

むしろ、
AIを長く使っているからこそ限界に気づく層と、
長く使っていても答えを丸呑みする層の差が広がっている

と思いました。

3. WebでAI記事を書いている層は、AI利用の目的が違う

「検索は古い。AIに聞けばいい」と書いている層のAI利用目的は、多くの場合、
「副業・記事作成・業務効率化・収益化・発信ネタ化」

つまり、AIを「生活の中で長時間使っている」というより、
成果物を早く作るための道具として使っていると思います。

だから、AIの回答構造を理解する前に、
「AIが答えてくれる」・「検索より早い」
という極論に寄りやすいと思います。

4. その結果、ファクトチェックが抜ける

AIは、答えを整えて返します。

だから、文章としては非常に読みやすいです。
それっぽく、納得しやすいです。
なので、ここに危険が潜んでいると思います。

本来なら、
AIで聞く・Webで検索する・複数の記事を見る・一次情報を見るなど
の検証が必要になるはずなんです。

ところが、AIを「効率化ツール」や「副業ツール」として見ている人ほど、そこを省きやすいと思います。

AIの答えを使っているつもりが、AIの答えに使われている状態
になってしまいます。

5. 「世代論」ではなく「利用目的によるリテラシー差」

この話は、若者批判でも、大人批判でもなく、

AIを何のために使っているかで、AIへの見え方が変わる

という話です。

若い層は、悩み相談、勉強、人間関係、日常の疑問など、生活に近いところでAIを使っています。
だから、AIの「届かなさ」にも気づくのでは。

一方、AI関連発信層は、記事作成、副業、収益化、業務効率化の文脈でAIを使っていると思います。
だから、AIの「速さ」と「それっぽさ」に価値を見いだしやすい。

この差が、

「AIで十分」と言う人
「AIだけでは足りない」と感じる人

の分岐になっていると思います。

結論

AIに聞けば良いは短絡的

「検索は古い、AIに聞けばいい」
この言い方は、少し雑だと思っています。

確かにAIは単発の答えを返してくれます。
しかし、Web検索は複数の情報を並べて比較検討できます。

「AI時代の本当のリテラシーは、『どれだけ疑うか』にある」

問題は、AIを使うか使わないかではないです。

AIの答えを、どこまで検証しているか。
AIの回答を、答えとして受け取っているのか。
それとも、仮説として扱っているのか。

ここに、AI時代のリテラシーの差が表れ、その差は利用の仕方で広がっていくのではないかと思っています。


以上が今回の記事になります。
ぜひ、同じ質問をいくつかのAIや検索サイトで確認してみてください。
きっと、「ああそういうことね」と感じていただけると思います。

では、また別の記事でお目にかかりましょう。